令和7年6月4日。

本日は、天台宗祖・伝教大師最澄様のご命日です。

天台宗では本日を「山家会(さんげえ)」と呼び、

全国各地の天台宗寺院では伝教大師への報恩の為の

法要が行われました。

当山でも住職1人ですが、お勤めさせて頂きました。

伝教大師は中国より天台の教えを日本に伝え、

たくさんの人たちを導いてこられました。

そして数々の大切な教えを残されました。

有名なお言葉は沢山ございますが、

ご遺言のお言葉の1つに、

「我が為に仏を作るなかれ。

 我が為に経を写すなかれ。

 我が志を述べよ。」とあります。

私の為に仏像を作り、経を写すなどするよりも

ただ私の志を後世まで伝えてほしいとおっしゃいました。

それこそが、伝教大師が書かれた「願文」にある、

「一隅を照らす人を育てる事」であるのです。

【当山本堂に掲げられた「傳教」の額】

一隅を照らす。

己の足元を明るく照らす。

己の置かれた立場・場所で精いっぱい輝けるよう努め、

そして、まわりを思いやり、自分よりも他の人の為になるべく

生きていく。。

ある天台宗の高僧はおっしゃいました。

「ポストでベストを尽くす」と。

今こそ、自分のできる事に精一杯取り組み、

自分の足元・まわりを明るく照らせる人になれるよう、

精進していこうと私も思っております。

そして、伝教大師の教えを

この大変な世の中で、後世に残せるように

教えを伝えられるように生きていきたいと思っております。

皆様も今いらっしゃる、その場所を照らしてください。

小さな光でも、沢山集まれば、それは大きな輝きになります。

一人一人が輝けるそんな世界になりますように・・・。

南無宗祖伝教大師福聚金剛

合掌

【伝教大師の生涯がまとめられた「伝教大師和讃」。山家会法要でお唱えされます】