8月に入りますといよいよお盆を迎えます。

皆様も盆飾りやお墓掃除など、徐々に始められていますでしょうか?

当山では8月のお盆に合わせて「施餓鬼法要」を行います。

本来この施餓鬼法要とは定められた時期はないのですが、

お盆の時期に多いと思われます。これを「盆施餓鬼」とも呼びます。

近隣で言いますと、東京などではお盆と施餓鬼法要は

別で行う寺院が多いようにも感じます。

施餓鬼法要とは・・・

餓鬼道堕ちて苦しんでいる餓鬼に飲食を施し供養する法要。

餓鬼の苦しみを和らげるとともに供養する側の善行を

積むことができると考えられています。

簡単に言いますと、皆さんが「積徳」をする為の

法要なわけです。

餓鬼は貪りの象徴です。

我々は欲が大きければ大きいほど、それに執着します。

そしてその欲を満たさなければ、いずれ餓鬼道に堕ちます。

餓鬼はいつも空腹で、飲食を求めますが、

食事と摂ろうとすると、口から炎が出て燃えて食べられません。

ので、沢山の僧侶の手によって特別な作法で餓鬼に飲食を与え、

安らぎの地へ導いてくれる様に仏様へお願いをするのです。

その施餓鬼を申し込み、参加をすることで、皆様は良い行いを

する→徳を積む→積んだ徳を皆さんの先祖へめぐらす→ご先祖が

安らかに成仏する という仕組みです。

ので、檀信徒の皆様から申し込まれるお盆の施餓鬼塔婆には

「附施餓鬼為(ご先祖の戒名)菩提也」とあります。

皆さんが餓鬼に施しを行い、その積んだ徳をご先祖様の供養に回向し

ご先祖様が安らかであるように祈っているのです。

毎年のお盆、海外旅行や国内旅行ももちろん楽しいですが、

1年に1度のお盆の季節。

ご家族でお墓掃除をして、お盆のお迎えの準備を整え、

数日間ではありますがご先祖様をおもてなし。

そして、誰にも供養されない「餓鬼」をはじめとする

すべての精霊(三界万霊)に線香を手向け、徳を積んで

頂きたいと思っております。

日常1日1日の大切さを感じられる時間を過ごせると

思います。

今年の夏は暑そうです。。。

皆様、ご自愛頂き、お盆の供養お勤めください。

合掌

實相院現董